六不治の病

中国の古い時代に扁鵲という大変な名医がいたといわれています。
その扁鵲はこのような患者は治せないと言っていました。

(1)おごりたかぶって道理の分からぬ者
(2)身体を粗末にして財産を重んじる者
(3)衣と食の節度が保てない者
(4)陰陽とも病み内臓の気が乱れきった者
(5)やせ衰えて薬を服用できない者
(6)巫(拝み屋)を信じて医を信じない者

いかがでしょうか?
(4)(5)は身体が弱ってしまっている状態ですから、実際難しいのかもしれません。
ですが、その他のものは意識することで気をつけることができますね。

身体を粗末にして…というのも、耳が痛い話です。
うっかりすると暴飲暴食をしてしまったり睡眠や休息をとらなかったり、また身体を動かさなかったりしてしまいがちです。

自分の身体を粗末にせず、丁寧にケアすることを心がけていきたいですね。

頭に気が集まると手足が冷える

日中少し汗ばむような日も出てきましたが、このような季節でも手足(特に足)が冷えている方少なくないです。

冷える原因はいろいろありますが、頭に気が集まると手足が冷えやすくなります。

気というのは温かいものなのですが、温かい空気が上に上りやすいのと一緒で、放っておくと上に上ってしまうという性質を持っています。
ですから身体の上の方にある頭に気が集まってくるのですね。

身体のバランスがとれているときは、その温かい気を身体に満遍なく行き渡るようにかき混ぜる力があります。
そうすると頭に気が集まりすぎず、手足にも気が行き届いて冷えたりすることもないのです。

ですが今はデスクワークなど身体をあまり使わずに頭ばかりを使う仕事が多く、頭に気が集まりやすい状況にいる方が多いです。

また仕事だけでなく、頭であれこれ考えたり心配ごとでつねに悩んでいるような状態が続くと頭に気がどんどん集まってきます。
そうすると末端にある手足に気が届かず、冷えやすくなってしまいます。

そういった状態を改善するには、身体に意識を向けたり動かすことが一番です。
軽く運動したりストレッチしたりするのもいいですし、身体に意識を向ける瞑想もおすすめです。

手足が冷えて辛い方、ぜひ身体を意識してみてくださいね。

弱い部分が魅力をつくる

東洋医学では体質を重視しています。
誰でも生まれつきちょっと弱いところを持っていて、その弱さが体質をつくっていると考えています。

胃が弱い体質だったり冷えやすい体質だったりと、誰でも必ずウィークポイントを持って生まれてきているのですね。

弱さというのは、嫌なものかもしれません。
ですが、その弱さこそ人の魅力をつくっているのではないかと思うのです。

皆が皆同じ体質を持っていたら、機械のようであまり個性が感じられず、平坦な世界になってしまうかもしれません。

その弱さとどうつき合っていくのか、また弱い部分があるということは強い部分もあるということですから、そこをどう生かしていくのか。
そういったところから豊かな個性が生まれてくるのだと思います。

鍼灸治療を続けていくと

鍼灸治療はシンプルにいうと、身体のバランスを整えていくことといえると思います。

鍼灸院に足を運ぶはじめのきっかけは、何か辛い症状があってという方が多いと思います。
たとえば腰痛があって鍼灸院に行ったとします。
それで治療を続けていくと腰痛がよくなっていくと同時に、他の不調もよくなっていったり身体が軽くなったりと身体全体の調子が上がってきます。

どうしてこのようなことが起こるのかというと、身体のバランスを整えているからなのです。
東洋医学では腰が痛くても腰が悪いとは考えず、身体全体のバランスが崩れているために腰痛が出ていると考えます。

ですから身体のバランスを整えることで、腰の痛みが自然と和らいでいくのです。
他の不調もバランスが崩れて出ているわけですから、身体が整うことでこちらもいつの間にかよくなっていくということが多いのです。

不調がある方はもちろんですが、今不調がない方も鍼灸治療を続けていくと身体のバランスが整い病にかかりにくくなります。
また身体と同時に心も軽く爽やかになっていきますよ。

感情は体内の天気模様

曇りや雨の寒い日には身体が冷えて風邪をひいてしまったり、とても暑い日には身体に熱がこもって熱中症になってしまったりします。
気候や天気というのは身体に影響を与え、ときにはバランスを崩すきっかけとなり病気を発症させてしまうことがあります。

これは外の環境に原因があるということで、東洋医学では「外因」といったりします。
それでは内が原因の「内因」はあるのでしょうか?
もちろんあります。
東洋医学では外因、内因、不内外因といった3種類に原因を分けて考えています。

身体の内側にある原因になるもの。
それは感情になります。
感情が原因となって、身体のバランスを崩すことがあるのです。

感情は豊かな心を育み、自分を表現したり人と交流したりする上でもなくてはならない大切なものです。
ですがそれが過度になってしまうと身体に影響を与え、天気が身体を害するのと同じように病のきっかけとなってしまうことがあるのです。

考えてみると感情も天気のようなものかもしれません。
嬉しいことがあってごきげんの日は気持ちのよい快晴のようだし、悲しいときはしとしと雨の日ようにも感じる人もいます。
怒りでゴウゴウと台風が起きているような人もいるかもしれません。

過度に感情がアップダウンしないように穏やかな天気のような心を保つのも、健やかな身体のために大切なことなのですね。