頭痛について

頭痛は身近な痛みですが…

誰でも経験したことがある身近な痛みの頭痛ですが、ひどい痛みのため仕事などに支障が出たり、慢性的に起こることで日常生活がとても辛い状態になっている方もいます。

市販の薬を飲めば痛みが落ち着く場合も、頻繁に飲むことでかえって頭痛が起こる「薬物乱用頭痛」の心配をされている方もいらっしゃると思います。

病院の薬で痛みをコントロールしたり予防したりする方法もありますが、鍼灸ではまた違ったアプローチで頭痛に対応することができます。



頭痛の種類

日常的に起こる頭痛のタイプとしては、血管が拡がることで起こるとされている「片頭痛」、また首や肩などの頭まわりの筋肉が緊張して起こる「緊張型頭痛」に大きく分けられます。

片頭痛の場合は、睡眠や食事などの日常生活、また女性であればホルモンの変動も関わっているとされています。
緊張型頭痛は、体の緊張をつくるような姿勢や生活習慣が大きな原因と言われています。
またどちらも体や心に大きく負荷がかかるようなストレスも、要因の一つです。

このように分けられる頭痛ですが、東洋医学ではまた違う見方で頭痛をとらえています。



東洋医学で考える頭痛

鍼灸では、シンプルに言うと体の陰と陽のバランスをととのえることで、不調や症状を治めていくことを目的としています。

「陰気」「陽気」などと言ったりもしますが、人の体は、内から外、外から内、上から下、下から上と、「陰」と「陽」が出たり入ったり、上ったり下りたりしながら、まんべんなく巡り交流しています。

この交流していることがとても大切で、もし交流がうまくいかずにバランスが崩れてしまうと、体のある部分に陰(冷え)が滞ったり、陽(熱)が滞ったりして不調が起きてしまうのです。

温かい空気が放っておくと上に溜まるように、バランスを崩した体では陽(熱)が上に溜まってしまうことがあります。
この上に溜まった熱が悪さをして、頭痛を引き起こすのです。

また普段は内から外に向かって適度に発散されている陽(熱)が、体に溜まった余分な水分や流れの悪い血などに邪魔されて、うまく発散できなくなってしまうことがあります。
こうして発散できない熱が溜まると、また頭痛を引き起こしたりします。



どのような頭痛なのか

このほかにも頭痛のタイプはいくつかに分けられるのですが、これらは痛み方(ズキズキ、重い、しめつけられる)や、どこが痛いか(こめかみ、おでこ、後ろ、てっぺん)などをお聞きすることで、体がどのような状態で起こっている頭痛なのかを予測することができます。

その後、脈や舌、お腹などお体をみさせて頂くことで、さらに詳しく体の状態を把握していきます。
こうして、どのような頭痛なのかを理解することで、適切な施術を行うことができます。



頭痛は体からのサイン

頭痛が起きているときに施術を受けられると、その場で痛みがなくなることもよくあります。
ですが慢性的に頭痛が起きている場合は、根本から体のバランスを整えていかなくてはなりませんので、少し続けて施術を受けて頂く必要があります。

日常的に頭痛が起きているということは、「体のバランスが崩れているよ」というサインでもあります。
頭痛が辛いなと思ったら、ぜひ日常生活を見直したり鍼灸を検討したりしてみてくださいね。