癒しは自分の内側から

“癒し”というと「癒された〜」と少し気持ちが明るくなるような軽い癒しから、長い間くすぶっていたものが解放されるような深い癒しまでいろいろなものがあると思います。

鍼灸はそのどちらの癒しも提供できる可能性を持っているのではないかと思っています。

そのときの状況や心身の状態などによっても変わりますが、身体や心の浅い部分も深い部分も癒されていくようなそんな施術を…といつも考えています。

ですが癒しを提供するといっても鍼灸は外からのきっかけに過ぎません。
癒しを起こすのは受ける方ご自身で、鍼灸はあくまでそのお手伝いになるのですね。
癒しを起こす力は自分の内側に眠っているのです。

その力はいろいろなきっかけを元に発動します。
あるときは鍼灸だったり、あるときは自然の中に身を置くことだったり、またはよい音楽に触れることだったりするかもしれません。

自分の内側にある癒しの力を発揮するための方法を、ぜひ見つけてみましょう。

六不治の病

中国の古い時代に扁鵲という大変な名医がいたといわれています。
その扁鵲はこのような患者は治せないと言っていました。

(1)おごりたかぶって道理の分からぬ者
(2)身体を粗末にして財産を重んじる者
(3)衣と食の節度が保てない者
(4)陰陽とも病み内臓の気が乱れきった者
(5)やせ衰えて薬を服用できない者
(6)巫(拝み屋)を信じて医を信じない者

いかがでしょうか?
(4)(5)は身体が弱ってしまっている状態ですから、実際難しいのかもしれません。
ですが、その他のものは意識することで気をつけることができますね。

身体を粗末にして…というのも、耳が痛い話です。
うっかりすると暴飲暴食をしてしまったり睡眠や休息をとらなかったり、また身体を動かさなかったりしてしまいがちです。

自分の身体を粗末にせず、丁寧にケアすることを心がけていきたいですね。

頭に気が集まると手足が冷える

日中少し汗ばむような日も出てきましたが、このような季節でも手足(特に足)が冷えている方少なくないです。

冷える原因はいろいろありますが、頭に気が集まると手足が冷えやすくなります。

気というのは温かいものなのですが、温かい空気が上に上りやすいのと一緒で、放っておくと上に上ってしまうという性質を持っています。
ですから身体の上の方にある頭に気が集まってくるのですね。

身体のバランスがとれているときは、その温かい気を身体に満遍なく行き渡るようにかき混ぜる力があります。
そうすると頭に気が集まりすぎず、手足にも気が行き届いて冷えたりすることもないのです。

ですが今はデスクワークなど身体をあまり使わずに頭ばかりを使う仕事が多く、頭に気が集まりやすい状況にいる方が多いです。

また仕事だけでなく、頭であれこれ考えたり心配ごとでつねに悩んでいるような状態が続くと頭に気がどんどん集まってきます。
そうすると末端にある手足に気が届かず、冷えやすくなってしまいます。

そういった状態を改善するには、身体に意識を向けたり動かすことが一番です。
軽く運動したりストレッチしたりするのもいいですし、身体に意識を向ける瞑想もおすすめです。

手足が冷えて辛い方、ぜひ身体を意識してみてくださいね。

弱い部分が魅力をつくる

東洋医学では体質を重視しています。
誰でも生まれつきちょっと弱いところを持っていて、その弱さが体質をつくっていると考えています。

胃が弱い体質だったり冷えやすい体質だったりと、誰でも必ずウィークポイントを持って生まれてきているのですね。

弱さというのは、嫌なものかもしれません。
ですが、その弱さこそ人の魅力をつくっているのではないかと思うのです。

皆が皆同じ体質を持っていたら、機械のようであまり個性が感じられず、平坦な世界になってしまうかもしれません。

その弱さとどうつき合っていくのか、また弱い部分があるということは強い部分もあるということですから、そこをどう生かしていくのか。
そういったところから豊かな個性が生まれてくるのだと思います。