鍼とお灸はどう違うの?
当鍼灸院では、鍼とお灸を用いて施術を行います。
基本的に全身に鍼の施術を行い、部分部分にお灸を用います。
ですが人によってお灸が多い方もいれば少ない方もいますし、この前はお灸をたくさんすえてもらったけど今回は少ないなぁなんて感じる方もいらっしゃるかもしれません。
「鍼とお灸はどういう風に使い分けているのですか?」「鍼とお灸はどういう違いがあるのですか?」というご質問もよく頂きます。
気や血に働きかけることが目的です
東洋医学では体を巡っているエネルギーのことを「気」や「血(けつ)」と言ったりしますが、施術はこの「気」や「血」に働きかけることを目的としています。
「気」は皆さんがイメージされるようなモヤモヤと実体のないエネルギー、「血」はもう少し実体のあるエネルギーと考えて頂くといいかもしれません。
この「気」「血」というエネルギーを、体を巡りながら必要な物資を運んでいる貨物列車(電車)に例えると、「気」は列車を動かすための電気、「血」は列車に積んでいる物資といえます。
電気は目には見えませんが、電気がなくては列車自体が動きません。
また体に必要な物資も、足りなかったり必要な場所に行き届かなければ、体に不調が出てしまいます。
このように気と血のそれぞれが異なる役割を持って、体を動かしたり栄養したりしています。
気は鍼、血はお灸
「気」は実際の電気のように素早く動いて実体がありませんから、繊細に働きかける必要があります。
やみくもに力を入れて何とかしようとしても、気を動かすことはできません。
金属でできた細い鍼で、そっと働きかけることで動いてくれるのです。
「血」は実体のあるものですから、もう少ししっかりとアプローチする必要があります。
この場合は、火を使って熱の刺激で体に強く働きかけるようなお灸が適しています。
例外もありますが、大きく分けるとこのように「気」に働きかけたいときは鍼、「血」に働きかけたいときはお灸というように使い分けています。
また細やかに体を調整したいときは鍼、強い刺激で働きかけたいときはお灸などといった風に用いることもあります。
鍼やお灸にもさまざまな種類や手技があります
実際の施術では、お話を伺ったり、脈や舌、お腹などをみさせて頂き、どの部分がどのようにバランスを崩しているのか、また「気」と「血」に対してどのように働きかければいいのかという風に考え、適切なツボを選び鍼とお灸を使い分けて施術します。
また鍼は鍼で太さや材質を変えたり、刺す深さや向きを変えるなど刺し方を変えることで効果が変わるため、体の状態に合わせて細かく調整しながら施術を行います。
お灸も、もぐさの種類を変えたり、大きさや硬さなどひねり方を変えたり、すえる数を増やしたり減らしたりすることでも効果が異なりますので、体の状態やツボの状態によって使い分けます。
鍼灸院によって考え方の違いはありますが、当鍼灸院ではこのように鍼とお灸を使い分けて施術を行っています。