不調が固まる前に

そんなに辛いというほどでもないんですけど…と治療室にお越しになる方がいらっしゃいます。
そういう方もちろん大歓迎です。

病院の検査では何ともない、でも何となく調子が悪い、疲れているといった段階で手を打つことはとても大事です。
東洋医学では病と健康をはっきりと分けて考えません。
ここまでが健康でここからが病気だという風には考えないのですね。
グレースケールのように白から黒に向かってなだらかに濃淡が変化しているグレーの色が続いているように身体を診ています。
そしてどの色の段階でもそれぞれの状態にあった治療を行うことができます。
健康と病気を分けて考えないため、白でも黒でもグレーでも治療を行うことができるのですね。

何となく現れた不調の段階、病気と名前のつく前の段階では、身体はまだすぐに治りやすい状態です。
ですが不調が固まっていくにつれてグレーの色が濃くなり、いざ鍼灸や漢方など東洋医学の治療を受けても、治りにくくよくなるまでに日数がかかるようになってしまいます。

ですからちょっとした不調でも特に病気がない段階でも、遠慮することなく鍼灸治療を受けにお越し頂けたらと思います。

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頭の納得と心の納得

頭で分かってはいるのだけれど、何だか納得できない。
そのようなことはありませんか。
どうも頭の納得と心の納得は違うようです。

心が納得できていないことを自分で分かっている場合はまだいいのですが、納得しているつもりでいるのに心の奥底では納得できていないとき、自分で気づいていないとき、そういったギャップが身体に大きく影響を及ぼすように感じています。
納得しているつもりの自分に対して「納得できてないんだけど!」と身体が不調を声にして訴えているような感じでしょうか。

今起きている状況のよい面に目を向けて心を納得させようとするのも一つの方法ですが、その前に自分は本当はどう感じているのだろうか?ということをしっかり感じとることも必要なようです。
今の自分の本当の気持ちを知ることができると、不思議なことに気持ちが次の段階へと変化していきます。
そうすると無理によい面に目を向けようとしなくても、自然とよい方向へ気持ちが向くようになるのです。

心を納得させるには今の自分の本当の気持ちをていねいに感じとることです。
なかなか難しいことではありますが、身体の声を聴くというのはこういうことでもあるのかもしれないですね。

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身体は季節に呼応する

まだまだ寒い日もありますが、日差しがだいぶ春らしくなってきましたね。

明日3/6(火)は啓蟄です。
虫もごそごそと地中から這い出て動き始める頃という意味ですが、植物や虫、動物たちは季節を敏感に感じ取り、それに合わせて身体を変化させたり行動を起こしたりします。
人間も例外ではありません。
自分では気づいていないだけで、身体の見えない部分では虫がごそごそと這い出るような動きがダイナミックに起こっているのです。
夏には夏の秋には秋の冬には冬の、そして春が近づく今の季節には春の力が身体の中で動き始めているのですね。

春の力とは一体どのようなものでしょうか。
自然を観察してみるとよく分かります。
虫が穴から這い出たり動き始めたりするような力、植物が芽吹くといったような力です。
発散、発生、発陳といった言葉でも表されます。
冬の間にしっかり守り熟成させた力を春になって発揮し始めるような、内から外へ向かう力です。

陽気に誘われて何だか身体を動かしたくなってきた、新しいことを始めたくなってきたなんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。
見えない部分で働いている力を自然と感じとっているのですね。
そういったことを感じる方も感じない方も、少し早く起きるようにしたり身体を軽く動かしたりして、日常の過ごし方を冬モードから春モードへと少しずつシフトチェンジしましょう。
そうすることで季節に身体が呼応しやすくなり、心身の不調も出にくくなりますよ。

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鍼灸で神経の緊張をゆるめる

今は神経がピンと張りつめた状態、ずっと緊張している状態がなかなか抜けない方が多いように感じています。
仕事やいろいろな場面で神経を張りつめて行なわなければいけないことというのはどうしてもありますから、それが悪いわけではありません。
ただその張りつめた状態が長く続いてゆるめることができなくなっているのが問題なのです。

神経が緊張している状態が続くと眠れなくなってきたり、身体のいろいろな部分がギュッと硬くなってしまったり、勝手にふるえたりしてきます。
そうしてその状態がさらに続くことで心身の不調をまねいてしまうのですね。

自分はそんなに緊張するような場面はないし緊張していないと思うという方も、パソコンやスマートフォンを見ている時間が多いとそれだけで神経は緊張状態になります。
光をじっと見つめていることになるので、それが神経の緊張を生むのですね。

まだ緊張状態が軽いと寝たり休息を取ったり運動したりしたりすることで心身をゆるませることができますが、緊張状態のまま固まってしまうと一人の力ではゆるむことがなかなか難しくなってきます。

鍼灸はそのように固まってしまった緊張をほぐし、張りつめた神経をゆるませます。
実際ゆるんでみると「あぁ、自分はずっと緊張していたんだなぁ」ということが実感して頂けると思います。
最近どうも不調が続いて…という方、芯からゆるむことで不調が改善されるかもしれませんよ。

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頭を休めて身体を動かす

昔の生活スタイルと現代の生活スタイルで変わったことというのは本当にたくさんあると思いますが、頭をよく使うことが増え逆に身体を動かすことが少なくなったというのもとても大きな変化ではないでしょうか。
デスクワークやパソコン作業が増え、スマートフォンや携帯、テレビを見る時間が多くなりました。
身体はほとんど動かさないのに頭の中だけフル回転するような状況が増えましたよね。

身体を使わずに頭だけを使うとどうなるのかというと、シンプルにいえば身体の上の方に気が集まりのぼせたような状態になります。
そして上に気が集まりのぼせている分、下には気が少なくなり下半身が冷えたり弱くなったりします。
のぼせると肩こり、頭痛、めまい、目の疲れ、視力低下、耳鳴りなど身体の上の方にいろいろと症状が出てきます。
そして身体の下は冷えたりむくんだり、足腰が弱ったりしてくるのです。
思い当たることがある方多いのではないでしょうか。

そういった症状が出ている場合は、少し頭を休めて代わり身体を動かす必要があります。
普段身体を動かしていないとおっくうになりがちですが、少しずつ動かし始めると気持ちよさから身体をもっと動かしたくなるものです。
春も近づいてきました。
スマートフォンを少し脇に置いて、身体を気持ちよく動かすことを始めてみませんか。

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