心と体は一体のもの
当鍼灸院では、心のケアにも力を入れています。
心身一如という言葉があるように、東洋医学ではもともと「心」と「体」を分けて考えることはしません。
心と体を分けないってどういうことだろう？と思われるかもしれませんが、心が「塩」で体が「水」だとしたら「塩水」のような状態が、心と体を分けないということです。
塩と水は確かにあるのだけど、どこからが塩でどこからが水なのか一体となって分からなくなっているような状態です。
東洋医学では、たとえば肩こりと胃の不調が出ていれば、そのような不調が出ている今の体はどのようにバランスが崩れた状態なのだろう？と考えますし、憂うつな気分と胃の不調が出ているのなら、そのような今の体はどのようにバランスが崩れた状態なのだろう？と考えます。
バランスが崩れた状態になることで、体であろうと心であろうと不調を招くと考えるのですね。
心も体と同じように回復に向かいます
実際の鍼灸の施術では、お話を伺ったり脈や舌、お腹などを見させて頂き、東洋医学のものさしを使って体のバランスの崩れを判断し、それを整える施術を行うことで、体の不調であっても心の不調であっても、同じようによくなっていきます。
ですので体の不調を抱えている方はもちろん、心の不調を抱えている方、体と心の不調の両方を抱えている方も、鍼灸の施術を受けて頂くことができます。
心が回復に向かっていくと、自然と憂うつ感やイライラが消えていったり、悩みが悩みでなくなったり、不調の原因だと思っていたできごとに向かっていく力が湧いてくるようになったりもします。
その場で楽になることもあります
長い間心の不調を抱えている方は、体の場合と同じように、よくなっていくのには少しお時間がかかります。
ですが、施術を受けたその場でかなり楽になることもあります。
以前、大事な愛猫ちゃんを亡くされたばかりで、悲しみに沈んだ方がいらっしゃいました。
少し話すだけでも精いっぱいで本当に辛そうな状態でしたが、施術後は「つきものが落ちたみたいに楽になりました」と少し笑顔を見せてくれるまでになりました。
悲しみや憂うつ感など、ネガティブと言われている感情を感じることは決して悪いことではありません。
ですがあまりにその感情の中にはまり込んでしまうと、日常生活も困難になるほど大変な状態になることがあります。
そのようなときに鍼灸の施術を受けて頂くことで、その過度なはまり込みの状態からすっと抜け出すことができます。
もちろんとても大きな感情であれば、その後も気持ちの整理がつくまで時間はかかると思います。
ですが、日常生活に支障をきたすほどはまり込むような状態ではなくなります。
悲しみや憂うつさを感じながらも、自分で気持ちの整理をしていくことができる、またそこから抜け出す力を取り戻せる、鍼灸にはそのようなお手伝いができます。
一人で悩まずご相談ください
自分は心の病にはかからないだろう、メンタルは強い方だし…と思っている方も、決して他人ごとではありません。
心の不調は、メンタルの強い弱いは関係なく、心身と環境がある状態にスポッとはまってしまうと、誰でもなりうるものです。
女性の場合は、ホルモンの関係から生理前や更年期などに不調が起きやすくなりますし、体に大きな負担がかかる出産や、育児や介護といった忙しさからも不調を起こしやすくなります。
あれ？何かいつもと違うかも…と感じたら、放っておかないで体と同じように心に対してもケアしてあげてくださいね。
そして、どうぞ一人で悩まずご相談ください。