東洋医学の体の見かた

IMG_1922人の体には心臓や肝臓などの臓器があったり
目や鼻や口といった器官があったり
肌や毛などいろいろなものから
できていますね
誰が命令しているわけでもないのに
それぞれの器官が自然と
自分たちの働きをしてくれています

ただ“心臓は血液を全身に送る”
といったような
心臓の働きそのものは分かりますが
それがなぜ動いているのか?
と考えるとよく分からなくなってきます
大もとの動かしている力は何だろう?
ということになりますね

自然界にはいろいろな動きや働きがあります
雨が降って山にしみ込んで川となり
その川が集まって海に流れ込み
蒸発してまた雲になるといった水の循環や
春、夏、秋、冬といった季節の移り変わり
種から芽が出て木や草となり
それが朽ちてまた土に還るなど
ほんとうに数限りなくいろいろなものがありますが
それぞれの働きがうまくバランスして
自然界が成り立っていますよね

その働きをよくよく観察してみると
どうやら自然界や宇宙は
ある法則のもとに動いているらしい
そしてそれは自然の中にいる人も例外ではない
その法則のもとにバランスをとりながら
人も生きているのではないかと昔の人は考えました

そういった複雑そうで一見分かりにくく見える
自然界のいろいろな働きの法則を
シンプルに分かりやすく現したものが
陰陽や木・火・土・金・水といった五行の考え方なのです

このような法則に基づいてものごとを見ることで
自然界や人の体がどのように動いているのか
どのように動こうとしているのかということが
シンプルにも複雑にも考えられるのですね

人は自然界の中でも少し特別な存在で
いい部分も悪い部分も含めて
いろいろなことを考えたり思ったり
自然に反するような行動をとることもできます

そうすると本来はその法則のもとに
自然とうまくバランスしているはずなのですが
どうしてもずれが出てきてしまいます
そのずれにもいろいろと意味はありますが
とりあえずバランスが崩れたことにより
体やこころに不調が出てきてしまいます

東洋医学ではそのバランスがどう崩れているのか?
ということを体に触れたりよく観察したり
話を伺ったりしながら
陰陽や五行の法則を使って整理して考え
鍼灸や漢方薬などを使って
バランスが整うよう働きかけているのですね

体やこころのエリアで
干ばつが起きているのはどうしてなのか
大雨が続いているのはなぜなのかといったことを
見ているような感じかもしれませんね
人の体や心の中には小さいけれども
自然そのものがあるのです

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