治療はやりすぎない

鍼灸治療を行う際の大切なことの一つとして、やりすぎないことがあります。
痛いところや辛い症状は早くなくして差し上げたいのですが、それを1回の治療で「なくそう!」と頑張るとかえって悪化してしまうことがあります。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という言葉がありますが、本当にその通りなのです。

人の治癒力は大変繊細なもので鍼やお灸などの刺激を受けると、バランスをとりながら少しずつ少しずつよい方向へと変化していこうとします。
鍼灸の施術が終わってもその変化は続いていきます。
ですので治療が終わった時点で10点満点を目指してしまうと、さらにそこからも変化は進みますので、10から逆に9、8、7…と戻っていってしまうのです。

身体が自由に動こうとする余裕を残して治療を終えることが大切なのですね。
そうすることで身体は丁寧にゆっくりとバランスをとりながら変化していくことができます。
それは自分で運動したりお肌の手入れをしたりといったことにも通じることかもしれません。
やり過ぎはかえって悪化してしまうということをよく考えて、8分ぐらいにとどめておきましょうね。

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