鍼灸でどうして調子がよくなるの?
鍼灸の施術を受けると、どうして不調が改善したり調子がよくなるのか不思議に思われている方もいらっしゃると思います。
今では、鍼灸によって血流がよくなったりホルモンバランスや自律神経の働きが整ったり、免疫力がアップしたりすることが研究によって分かってきています。
体の治癒力を高めるといってもいいかもしれません。
東洋医学の独自のものさし
東洋医学的には、鍼灸とは「体のバランスを整えることによって不調を改善している」といえます。
東洋医学に少し興味のある方なら、「気・血・水」や「陰・陽」「木火土金水(五行)」という言葉を見たり聞いたりされたことがあるかもしれません。
これらは東洋医学独自の体のバランスを知るためのものさしですが、このものさしを使って体の状態を知り、鍼やお灸を使って崩れたバランスを整えていきます。
東洋医学は医療機器などがない数千年も昔から発展してきた医学ですので、体を見たり触ったりすることで体の状態を知る優れたものさしが発達してきたのですね。
今の医学に比べるとあいまいなことを言っているような感じがしてしまうかもしれませんが、これは現代の医学と東洋医学それぞれの考え方や視点がまったく異なるためです。
現代科学の考えに慣れていると、最初はなかなか理解に手こずるかもしれませんが、東洋医学は東洋医学の視点があるのだなと思って体を見ていくと、体の状態をよく知ることができ、それに対応する優れた治療体系があることが分かってきます。
不調に対しての東洋医学の考え方
これが東洋医学の場合、上はのぼせ(熱→陽)て下が冷え(寒→陰)ている状態と考えます。
本来は、この陽(熱)と陰(寒(かん))がうまく交流し、全身が不快さを感じないちょうどよい温度になっているのが健康な状態です。
そのバランスが崩れると、上はのぼせて下は冷えているような状態になってしまいます。
そのため、鍼灸の施術でこの交流を促したり停滞してしまった原因にアプローチすることにより、上ののぼせも下の冷えも改善されていきます。
長い歴史の中で作り上げられた体系です
これを現代の医学で考えようとすると、なぜ?と思えてしまいますが、先人たちが長い長い歴史の積み重ねの中で発展させてきた経験知が、このような体系を作り上げているのですね。
現代医学の視点、東洋医学の視点、どちらもそれぞれ優れた部分があります。
現代医学でないと対応が難しいものや完治が難しいものも多くありますが、病院に行ってもなかなかよくならないなときに鍼灸でよくなったりすることがあるのは、このような視点やアプローチの違いがあるからなのです。

