東洋医学の考えに基づいた全身治療

東洋医学は全体を見ている

当鍼灸院は、どのような症状や不調でも必ず全身に鍼やお灸の施術を行っております。
東洋医学では、あくまで全体を見るということがとても大切で、今の体(心を含む)がどのような状態であるのかを把握し、そのバランスを整えていくというのが考えの根本にあるからです。

セルフケアなどでツボにお灸をされる方は、たとえば「頭痛には合谷のツボ」など、症状に合わせてツボを選んでいらっしゃることが多いと思いますが、実際の施術ではそのような考えでツボを選ぶことは実は少ないのです。

まずは「頭痛の出ている体は今どのような状態なのか?」ということを、お話を伺ったり脈や舌、お腹などを見させて頂き、体のいろいろなサインを総合して考えていきます。
同じ頭痛でもその方の体質やそのときのバランスの崩れ方によって、どのツボを使ってどのようにバランスを整えていくのかが変わってきます。

人の体はさまざまなものが複雑にバランスをとって健康を保とうとしているため、たとえ頭痛でも頭だけ、もしくは一つのツボだけというわけにはいきません。

胃が冷えることによって頭痛が起きることがありますが、その場合は胃を温める必要がありますし、その頭痛がすぐに楽になるような施術も行うことも大切です。
また「なぜ胃が冷えてしまうのか」というところも考えていかなければなりません。

植物に元気がなくなってしまった場合、枯れている葉を取り除くだけではなく、水が足りないのか養分が足りないのか日の光が足りないのか、全体を見る必要があるのと同じです。

全体のバランスを整える

ツボは全身に約360ほどありますが、そのツボたちは一つ一つがつながって川のような流れになっています。
そのため症状のある場所から遠く離れたツボでも、効果があるとされているのですね。

またツボによって、巡りをよくするツボ、よくない熱を鎮めるツボなどそれぞれ働きが異なるため、今の体は巡りがよくないのか、よくない熱が多いのかなどを状態を見極めた上で、適切なツボ、または適切な鍼やお灸を選んで施術をする必要があります。

お灸はツボによってもぐさを使い分けます

どうして全身に鍼やお灸をするのだろう?と思われていた方も多いと思いますが、基本的には全体のバランスを整えることを目的しているために、全身へ施術する必要が出てくるのですね。

また全体のバランスを整えるということは、頭痛だけではなく下痢やむくみといった他の症状が出ている場合でも、頭痛の施術、下痢の施術、むくみの施術と別々に行わなくても、全体のバランスを整えることで一緒に治まっていくことになります。

一つの症状だけではなく、いくつかの症状や不調に悩んでいる方も、気兼ねなくご相談頂ければと思います。