お灸の施術について

今は自宅でもお灸をすえる方が増えてきたり、「お灸女子」といわれる言葉ができたり、本屋にもお灸の本が並んだりするようになってきました。

ご自宅でお灸をされている方の多くは、どなたでも簡単にすえることができるタイプの「台座灸」を使われていることと思います。
こちらはとても気軽にできるため、セルフケア初心者の方にもおすすめです。

     簡単にできる台座灸

当鍼灸院の施術では、この台座灸をまれに使うこともありますが、通常はもぐさを一つ一つひねってすえる伝統的な手法でお灸をすえています。

お灸の多くはツボと呼ばれる特別な場所にすえるのですが、その方の体質や状態、ツボの様子に合わせて大きさや硬さを変えてもぐさをひねり、またすえる数も数壮~数十壮と変えて行います。
※お灸は一壮(いっそう)、二壮(にそう)と数えます。

米粒ほどの大きさにひねった小さなお灸

そのようにして体の状態にぴったり合ったお灸は、とても高い効果を発揮します。

またもぐさをひねるタイプのお灸の他にも、「箱灸(はこきゅう)」と呼ばれる箱の中にもぐさを入れて燃やすタイプのお灸や、お灸を棒状にした「棒灸(ぼうきゅう)」というお灸を使うこともあります。

        箱灸
        棒灸

”お灸は体を温めるもの”と思われている方が多いと思いますが、もぐさの種類や大きさを変えることで、体に溜まったよくない熱を逃がすような術としても使うこともあります。

ただ体を温めるだけではなく状態に合わせ、このツボにはこのお灸、また別のツボには別のお灸といったように使い分けて用いる必要があります。

昔はわざと火傷をさせたり、熱さを我慢するようなお灸が多かったのですが、今は火傷をすることはなく熱さを我慢するようなこともありません。
一瞬「チッ」とした感じで熱さを感じることもありますが、ほとんどのお灸は気持ちよく感じられると思います。

  1cmほどの大きさにひねったお灸

鍼に比べて「お灸が怖い」と言われる方は少ないのですが、中には以前火傷をした不安からお灸が怖いと言われる方もいらっしゃいます。

施術内で火傷をした方は今までいらっしゃいませんが、どうしても心配な方には火傷の可能性のないタイプのお灸を使ったり、不安の少ない場所にまず1つだけすえてみるなど、少しずつ進めていきますのでご安心ください。

どうしても難しい場合は、お灸なしの施術で対応いたします。
心配な方は、遠慮なくご相談くださいね。