症状ではなく証として体全体を診ます

東洋医学は全体を診る

科を分ける必要がない

東洋医学では、眼科、整形外科、婦人科などというように、症状や不調によって科が分かれているわけではありません。

基本的に体全体を診るため、そのように科を分ける必要がないのです。



体の状態を把握する

“体全体を診る”とはどういうことかというと、たとえば「目が疲れていて肩こりや腰痛がある、生理痛もひどい」という場合、現代医学では、眼科、整形外科、婦人科など別々の科に行って治療を受けます。

これが東洋医学の場合、「目の疲れ、肩こり、腰痛、生理痛などが起きている今の体は一体どういう状態なのか?」ということをまず考えていきます。

目の症状があるから目に原因があるというわけではなく、体が目の疲れを起こすような状態になっているから、その体の状態を把握しようという考え方です。



タイプの分類

十数種類のタイプ

そのような体の状態は、ある程度タイプごとに分類することができます。

実際は、同じ症状が起きていても一つとして同じ体の状態というものはないのですが、それでも大きく十数種類のタイプに分けて考えることができます。



タイプ=証

体のタイプといっても「目の疲れ=Aタイプ」といったように、症状によってタイプが分かれるわけではありません。
目の疲れにもいろいろと原因があり、実際はどのタイプからでも起こりうるからです。

車に例えてみると、「エンジンの故障(症状)」が起きているとき、いろいろと原因は考えられますが、「ラジエーターの冷却水が不足して、エンジンを冷やすことができなくなっている(体の状態)」といったように、あくまで状態を表すものがタイプになります。

このタイプのことを「証(しょう)」と呼びます。



証によって体で起こっていることが分かる

「目が疲れていて肩こりや腰痛がある、生理痛もひどい」という体は、一体どのような状態なのかという、この「証」をつかむことで、体の中で何が起きてどのような状態になり、症状が現れるに至っているのかということが分かってきます。

この証を判断するために、詳しくお話を伺ったり、脈や舌、お腹や背中など体のいろいろな部分を診させて頂く必要があるのですね。

※この証を判断することを「証を立てる」と言います。



全体を診ることが東洋医学の特徴

このように、症状ごとではなく“体全体を診る=証を立てる”ということが、東洋医学の大きな特徴になってきます。

証を立てることにより、不調の根本原因にアプローチし、症状を改善に導くことができるのです。