鍼灸治療を続けていくと

鍼灸治療はシンプルにいうと、身体のバランスを整えていくことといえると思います。

鍼灸院に足を運ぶはじめのきっかけは、何か辛い症状があってという方が多いと思います。
たとえば腰痛があって鍼灸院に行ったとします。
それで治療を続けていくと腰痛がよくなっていくと同時に、他の不調もよくなっていったり身体が軽くなったりと身体全体の調子が上がってきます。

どうしてこのようなことが起こるのかというと、身体のバランスを整えているからなのです。
東洋医学では腰が痛くても腰が悪いとは考えず、身体全体のバランスが崩れているために腰痛が出ていると考えます。

ですから身体のバランスを整えることで、腰の痛みが自然と和らいでいくのです。
他の不調もバランスが崩れて出ているわけですから、身体が整うことでこちらもいつの間にかよくなっていくということが多いのです。

不調がある方はもちろんですが、今不調がない方も鍼灸治療を続けていくと身体のバランスが整い病にかかりにくくなります。
また身体と同時に心も軽く爽やかになっていきますよ。

感情は体内の天気模様

曇りや雨の寒い日には身体が冷えて風邪をひいてしまったり、とても暑い日には身体に熱がこもって熱中症になってしまったりします。
気候や天気というのは身体に影響を与え、ときにはバランスを崩すきっかけとなり病気を発症させてしまうことがあります。

これは外の環境に原因があるということで、東洋医学では「外因」といったりします。
それでは内が原因の「内因」はあるのでしょうか?
もちろんあります。
東洋医学では外因、内因、不内外因といった3種類に原因を分けて考えています。

身体の内側にある原因になるもの。
それは感情になります。
感情が原因となって、身体のバランスを崩すことがあるのです。

感情は豊かな心を育み、自分を表現したり人と交流したりする上でもなくてはならない大切なものです。
ですがそれが過度になってしまうと身体に影響を与え、天気が身体を害するのと同じように病のきっかけとなってしまうことがあるのです。

考えてみると感情も天気のようなものかもしれません。
嬉しいことがあってごきげんの日は気持ちのよい快晴のようだし、悲しいときはしとしと雨の日ようにも感じる人もいます。
怒りでゴウゴウと台風が起きているような人もいるかもしれません。

過度に感情がアップダウンしないように穏やかな天気のような心を保つのも、健やかな身体のために大切なことなのですね。

心から身体を整え身体から心を整える

東洋医学では、感情が動くとそれによって身体が変化すると考えます。
また身体のバランスを崩すと感情にも影響があると言われています。

感情と身体はお互い深く関わっているのですね。
ということは心(感情)から身体を整えることもできるし、身体から心(感情)を整えることもできるといえます。

鍼灸治療を受けると気持ちが落ち着いたり精神が安定したりするのは、身体から心に働きかけているからなのですね。

日常でもちょっと体調が優れないときには心のケアを丁寧にしてあげたり、逆に心がだいぶ落ちてしまっているときにはゆっくり身体を休めたり、もしくは適度に運動したりするととてもよいです。
心と身体のどちらからもアプローチして、心身のバランスを整えていきましょう。

根っこが大切

腰が痛いとき普通は腰が悪いと思いますよね。
しかし、東洋医学ではあまりそういう見方をしません。
腰が痛いという症状が出ている今の身体は全体的にどういう状態なのだろう?というように見ていきます。

また腰痛の他にたとえば頭痛という症状が出ていたとしたら、その二つは大きく関係しています。
そうして腰と頭に痛みが出ている今の身体は全体的にどうなっていて、その根本はどこにあるのかという風に考えていきます。

症状は木でいえば枝葉のようなものです。
枝葉に症状が出ていても大切なのは根っこです

木全体がどうなっているのかを把握をしたら、今度はその根っこに目を向けていきます。
そうして根っこがどういう状態かが分かってきたら、治療を施していくのですね。
枝葉に手を加えることもありますが、メインは根っこの治療です。
根っこが元気になれば枝葉は自然といきいき回復してくるのです。

自分の素朴な性質

人は生まれながらそれぞれ特徴ある体質を持っています。
あまりお腹いっぱいには食べられないとか、疲れると目にくるとか体力には自信があるとか…。
もちろん環境や生活習慣などによって変化することもありますが、生まれ持った元々の体質というものが必ずあります。

この体質は性格とも関係が深く、たとえばイライラしやすいとか不安になりやすいとかそういったことも含まれます。
体質と性格は表裏一体のものなので、体質+性格=性質といってよいかもしれません。
この性質を自分で知ることは、生きることを楽にしてくれます。

自分はどんな性質かな?と考えたとき、実は目が疲れやすいとか不安になりやすいとかいったことはとても表面的なものです。
もっともっとその性質を素朴にシンプルに考えてみます。
子どもの頃にさかのぼってみると、分かりやすいかもしれません。

たとえば、ゆっくり、鋭い、おおらか、大胆、繊細、速い…いろいろなものがありますね。
これを突き詰めていくと次のように陰的なものと陽的なものとして表すことができます。
陰:冷たい・遅い・内に向かう・重い…
陽:熱い・速い・外に向かう・軽い…

これに当てはめて陰的な人、陽的な人といういい方もできますが、陰陽というのは陰の中にも陽があり、陽の中にも陰があるといわれています。
そういえば熱くて冷静な人もいますし、内向的で素早い人もいますよね。
そういう陰陽の視点から自分を考えてみるのも面白いものです。

素朴な性質からは大きな可能性を感じることができます。
自分の性質を細かく見るのではなくシンプルに考えることで、本当の自分に合ったものごとを見極めやすくなります。