冷えがあれば熱もある

冷え性というと身体全体が冷えているような印象がありますが、実際全身が冷えきっているような場合は少ないです。

身体はたとえていうとお風呂のお湯のようなものです。
健康なときは全身がちょうどいい湯加減になっています。
ですがお風呂のお湯を放っておくと上が熱く下が冷たくなってしまうように、身体のバランスが崩れてくると身体も上が熱く下が冷えてしまいます。
そうすると足は冷えていながら、上はのぼせたり肩こり頭痛などの症状が出てきます。

ただ身体はお風呂よりちょっと複雑で、バランスの崩れ方によっては、内側が冷えて外側全体に熱があったり、外側が冷えて内側に熱があったりといった状態になることもあります。

このように基本的には、冷えを感じたらセットでどこかに熱くなっているお湯があるのですね。
ですから健康のためにはこの熱いお湯と冷たい水をかき混ぜて、ちょうどいい温度にすることが大切なのです。

周りから整える

たとえばギックリ腰のようにひどく腰が痛むとき、最初に直接腰を治療することもありますが、まず腰の周りの足などから治療していくことが大切になってきます。

腰を治したいのだから腰に直接アプローチすればいいように思えますが、そうではないのですね。
まずは周りを整えていくことで、じわじわと腰がゆるんできます。
そうしてから腰にアプローチすることもありますし、しないで良くなることもあります。

最初に直接アプローチするよりも周りがゆるんでからアプローチすることで、無駄な力を使うことなく、より自然に腰の痛みを和らげることができるのですね。

これは鍼灸以外のことにもいえるかもしれません。
何かやりたいけどなかなか取りかかれないとか、どうやったらいいのか分からないときなど、まず周りから攻めていくのも一つの方法です。

周りの環境を整えているうちに本来やりたいことにスッと取りかかれるようになったり、やりたいことがいつの間にかできてしまっていることもあるかもしれません

直接アプローチでうまくいかないとき、周りから整えることをちょっと意識してみてはいかがでしょうか。

風邪とその仲間

風邪と書くとふつうはカゼと読みますが、東洋医学ではフウジャと読みます。
この風邪にはいくつか仲間がいまして、風邪の他に暑邪、湿邪、燥邪、寒邪、火邪と6つの種類があります。
これらのことを外邪もしくは合わせて六淫(りくいん)と呼んだりもします。

少し前に内側から起こる病の原因についてお話しましたが、この外邪は外からやってくる病の原因になります。
現在の言葉でいうと暑さ寒さなどの気温や気圧、湿度、風など気候に関するものを6つの原因に分けたものなのですね。

たとえば湿邪は名前の通り湿気によって引き起こされる病の原因です。
湿度が高くなると不調が現れる方がいらっしゃいますが、身体に水気が多かったり余分な水分が溜まっていると、外の湿度に身体が左右されやすくなります。

それぞれの邪が身体に影響を及ぼすのですが、風+寒などいくつかの邪が合わさって病を引き起こすこともありますよ。

この季節、風が強かったり気温差など変動が激しいですから、気をつけて邪の侵入を防いでいきましょうね。

助けを借りよう

不調が長く続くときというのは、身体のバランスが崩れた状態のまま固まってしまっているともいえます。
アンバランスのまま固定されてしまっているのですね。

ちょっとした不調であれば、しっかり睡眠をとったり休んだりすることでよくなる場合もありますが、長く続く不調であればやはり人の助けを借りることが必要かもしれません。

ぐるぐると同じ考えが頭の中を回っているときに、ちょっと人に話をしたり意見を聞いたりすることで、そのぐるぐるした輪から抜けられることがありますよね。

それと同じで身体のバランスが崩れたまま動かなくなっているときは、人の手を借りてポンとスイッチを押してもらうことで固まっていた状態から回復方向に向けて身体が動き始めます。

セルフケアも大切ですが、身体のバランスが大きく崩れたときは、早めに助けを借りてくださいね。

流れを意識する

体調に変化を感じないときでも、実は身体は毎日ダイナミックに動いています。

東洋医学では気や血といったものが、それぞれ川のように流れながら身体のバランスをとっていると考えます。
毎日変わっていないように見えても、実は大きく変化しながら一定の均衡を保っているのですね。

ですが何か身体に負荷がかかると、川の水が少なくなったり澱んだりと変化が起きてそのバランスが崩れてしまいます。
崩れながらも必死に何とかしよう頑張っている状態が、病や不調といえるかもしれません。
川の流量がたっぷりあって滞らず流れていること、そんな状態が健康なのですね。

これは身体だけでなく心についてもいえそうです。
頑なな状態になって心の流れをせき止めていませんか。
心のエネルギーはたっぷりあるでしょうか。

心も身体も流れを意識してみると、また違ったものが見えてくるかもしれませんね。