「生きることはすごいこと」

「生きることはすごいこと」
安野 光雅/河合 隼雄 著
講談社SOPHIA BOOKS

画家の安野光雅さんと臨床心理学者の河合隼雄さんが対談されている本です。
とても面白いのでぜひ読んで頂きたいのですが、タイトルがとてもいいですよね。

生きることというのは本当にすごいことです。
どんな環境でもどんな状況でもどんな健康状態でも生きているというのはすごいことです。
それが実感できてくると、日々の悩みも小さなものに思えてくるかもしれませんね。

関連記事
かまえずに
大切なものはいつもゆっくりと進む
大変さは人によって違う
自分の性質を大切にする
自分のための時間を大切に

何もしないことをする

もうすぐゴールデンウィークですね。
通常通りお仕事の方もいらっしゃると思いますが、いつもよりお休みを取られるという方も多いと思います。
お休みはどのようにお過ごしになりますか?
どこか出かけよう、普段できないことをしようなどいろいろ考えていらっしゃるかもしれませんね。
そんな中で「何もしないことをする」というのはいかがでしょうか?

のんびりする、好きなことをするというのとも違って文字通り本当に何もしないのです。
今はあれをした方がいい、これをした方がいいという情報がたくさんあふれています。
そんな情報に触れていると何もしない時間がもったいなく思えたり、怠けているような気がして焦ってしまうことはないでしょうか。

ですが何もしないことというのは実はすごい力を持っているのです。
テレビも見ない、スマートフォンも見ない、本も読まないでただただぼんやりしていると、ふだんあれこれしているときにはなかなか働くことのない自分の内にあるものが動き始めます。
自分にとって必要なものは外にあるのではないかとつい考えがちですが、自分の内には非常に豊かなものが詰まっています。
その豊かなものを展開するためには何もしないという時間がとても大切になってくるのです。
花開くような変化を促すためにはその花が開くための静かでゆっくりした時間が必要なのです。

何もしない時間を長く過ごした後には、ふと何かしてみようという気になったり、いつもと違った考えが浮かんできたり、何か思いもかけないことが起きたりするかもしれません。
また何もしない時間というのは心身の内側を活性化し治癒力を高めることにもなります。

何かすることももちろん大切ですが、ときには何もしないという時間をとってみてはいかがでしょうか。
いざやってみると時間を持て余したりして意外と難しいことに気づかれるかもしれません。
ですが慣れてくるうちにいつもとは違うゆったりとした自分に触れることができますよ。

関連記事
自分の内の静けさ
陰を大切にする
陰と陽のバランスをとって過ごす
病を見つめると自分が整理されてくる
ぼんやりするとき

ゆるむことで自然に動く

不調というのは、身体がアンバランスのまま固まってしまった状態といえます。
できればそんな風に固まることなくやわらかい身体を目指したいものですね。

やわらかい身体というのは前屈ができるとかそういうことではなく、身体の内側のバランスが少し崩れてもすぐにもとの状態へと戻ることのできる身体です。
それは心にも同じことがいえるかもしれませんね。
そのような心や身体は少し「?」という状態になったとしても、すぐにもとのよい状態へと戻ることができます。

健康というのはバランスのとれた状態のことですが、もともとバランスのとれた状態というのも固まった形でバランスがとれているわけではなく、外からの刺激や内からの刺激にゆらゆらと揺れながらもバランスを保てる状態をいったものなのですね。

不調というのはアンバランスに固まった状態ですから、まずその固まった心身をゆるめなくてはいけません。
ただ無理にバランスのとれた状態に戻そうとするのは、ボキッと硬い枝を折るようなもので、かえって他の部分を痛めてしまうことになりかねません。
まずゆるめることが何より大切なのですね。

固まった心や身体をゆるめることができると、本当によくできたもので自然とバランスに向かって心身は動き始めます。
どういう状態がバランスのとれた状態なのかは心や身体自身がよく分かっているのです。

関連記事
不調が固まる前に
鍼灸で神経の緊張をゆるめる
病は積み上げてきたもの
回復はらせん状に
癒すのは身体自身

自分の内の静けさ

心身の回復力を高めるためには、静けさの中に身を置くのも大切なことではないかと考えています。
そうなると静かなところに行けばいいのかな?静かにしていればいいのかな?と思いますが、そうでもあるしそうでもないといえます。
なぜなら静けさは外ではなく自分の内にあるからです。

どんな人にも必ず自分の内側には、しんと静かで波のない湖のような部分があります。
その部分が治癒力とも深く関わっていて、その静かな湖に触れたとき、心身のバランスが整う方向へと動きだすように感じています。

その部分に触れるためには、静かな場所に身を置くことも一つかもしれませんし、運動をすることかもしれません。
ただ深い深い静けさに触れるのはなかなか難しいことです。
自分はどうしたらその静けさに触れることができるのか試行錯誤も必要かもしれません。

GreenRemedyでは治療を受けて頂いた方が、そんな自分の内の静けさとつながることのできる鍼灸治療をご提供できたらと思っています。

関連記事
眠りはほてった身体を静める
陰を大切にする
陰の時間・陽の時間
夜の暗さを楽しむ
大切なものはいつもゆっくりと進む

見えない川の流れを整える

ツボというのは何となくご存知の方が多いと思いますが、「経絡(けいらく)」という名前はお聞きになったことがあるでしょうか?
あまり馴染みのない方が多いかもしれませんね。
この経絡とツボは切っても切り離せないとても関係の深いものなのです。

ツボは正式名称「経穴(けいけつ)」といいます。
よく「肩こりにいいツボを教えてください」とか「便秘にいいツボを教えてください」などと聞かれることが多いのですが、ツボは皆さんが思っていらっしゃる通り身体のいろいろな部分に点在しています。
ただ肩こりに効くツボが肩にあるのは分かる気がしますが、なぜか手にも肩こりに効くツボがあったりします。
どうして身体の離れた部位に効くツボがあるのでしょうか?
不思議ですね。

実はツボというのは星座のように点々と身体にあるわけではないのです。
身体には見えない川のような流れが存在していると考えられていて、その川の流れのところどころに特別なスポットとしてあるものがツボなのです。
川の流れが線路だとしたらツボは駅のようなものです。
そしてその川の流れ、線路にあたるものが「経絡」なのです。
何だかよく分からないように思えた経絡も実はそんなに難しいものではないのです。

この経絡は大きな流れが何本かあって、川と同じように支流があったり合流していたりします。
また血管と同じように全身にはりめぐらされていて、目鼻口といった器官や臓器などあらゆるところに流れています。
見えない血管のようなものと考えると分かりやすいですね。

ツボというのはこの経絡の上にある特別なスポットですから、ツボに働きかけることでそのツボがある川の流れやその川が栄養しているものを整えることができます。
さきほど例にあげた肩こりに効くツボが手にあるのは、手から肩に向かって流れる経絡があるからなのですね。

シンプルにいうと鍼やお灸などはこのツボに働きかけ、経絡の流れを整えているのです。
身体に不調がある場合は、経絡である見えない川が汚れていたり流れが滞ったりしています。
そうしたときにツボを使って川を綺麗にし流れをスムーズにすることで、少しずつ身体が整い現れている症状が和らいでいきます。

関連記事
経絡とツボの関係
身体を全体でとらえる
流れながらバランスをとる
身体の上の症状・下の冷え
身体の症状はすべてつながっている