助ける関係・制する関係

東洋医学では陰陽論に加えて五行説も、なくてはならない重要な考え方です。

五行説とはこの宇宙すべてのものや現象は5つのもの(木・火・土・金・水)に分類できるという考え方です。
たとえば季節を五行で分類してみると、春(木)、夏(火)、土用(土)、秋(金)、冬(水)となります。
他にも食べ物や色や感情、もちろん人の臓器や器官に至るまであらゆるものが5つに分けられているのです。

この五行はただ分類されるだけではなく、それぞれが関係を持って存在しています。
一つは母が子を助けるような関係。
火は木によって燃えることを助けられています。
このような関係を相生関係といいます。

そしてもう一つは相手がいい気にならないように制する関係。
水は火が燃えすぎないように抑えることができます。
こちらは相剋関係といいます。

一見すると助ける関係の方が良い関係に思えますが、いえいえ制する関係もとても重要なのです。
どちらもなくてはならない大切なもので、この二つの関係があることでバランスが保たれているのですね。

自分の身の周りの人間関係を考えてみてもいいかもしれません。
助けてくれる人というのはいつでも本当にありがたいものですね。
ですがもし制してくれる人がいなかったらどうでしょう。
自制がきけばよいのですが、そうでない場合どんどんと調子に乗って膨らんで、ときには自滅してしまうこともあるかもしれません。
そう考えると制してくれる人というのは助けてくれる人と同じように大切な人なのですね。

これは相生関係かな?相剋関係かな?と分析してみると、意外な人の新たな面が見えてくるかもしれませんよ。