陰陽のものさしで見る

東洋医学では、陰陽のものさしを使って身体を見ています。
陰陽のものさしとは一体どんなものでしょうか?

陰:冷たい、暗い、重い、遅い、静か、内に向かう力。
陽:熱い、明るい、軽い、速い、躍動的、外に向かう力。

陰陽とはそれぞれ上記のような性質を持ったものをいいますが、陰陽思想や東洋医学では人の身体を含めたこの世界のものすべてを陰陽に分け、そのバランスが保たれていることで世界が成り立っていると考えています。
そういった見方が陰陽のものさしなのですね。

ただすべてのものを陰陽に分けるといっても、この陰陽というのはちょっとややこしくて、◯◯は陰、△△は陽とスパッと分けられるものではありません。

たとえば人で考えてみます。
大人と子どもがいればキャッキャと躍動的な子どもが陽、落ち着いた大人が陰になります。
ですが同じ大人でも20歳の人と50歳の人がいれば子どもに近い20歳が陽、50歳が陰になります。
20歳は子どもと比べると陰だけど、50歳と比べると陽ということになるのですね。
比べる対象によって同じ人でも陰にも陽にもなるのです。

また男性は陽、女性は陰です。
(異論があるかもしれませんが…)
これが50歳の男性、20歳の女性を比べるとなると、50歳男性は年齢では陰、性別では陽、20歳女性は年齢では陽、性別では陰ということになります。
これが陽気な50歳の男性、静かな20歳の女性となるとどうでしょう?
だんだん複雑になってきましたね。

誰でも何と比べるか、何で比べるかで陰にも陽にもなりえます。
これは人に限らずすべてのものにいえることなのです。

陰陽のものさしをちょっと日常に取り入れてみると、また違ったものが見えてくるかもしれませんよ。